就職氷河期ケアラー111万人、ひきこもりのきっかけで一番多いのは?6/23(金)オンライン交流会より

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6/23(金)に「よしてよせての会」では、10代~40代のケアラーとひきこもりを対象にオンライン交流会を開催した。

ヤングケアラー、若者ケアラー、就職氷河期ケアラー、ひきこもりの方々と8名が参加。

今回は、主に中高年のケアラーとひきこもりの真面目な話が多かったので現状や当事者の声を記述していく。

「就職氷河期ケアラー111万人、就職難、離職、親の介護で将来や老後が見通せない厳しい現実」

まず、就職氷河期ケアラー(30代後半~40代)は、『就職氷河期世代の行く先』の著者・下田裕介氏によれば、111万人が親の介護などで生活不安定者になり未婚者は貧困に陥りやすく27兆円を超す生活保護費になると試算していている。加えて、団塊ジュニア世代が2020年代前半に迎える50代の介護者は、20年前に比べ男性で4.5%、女性が7.6%も増加。

今回参加した当事者の声を聞くと、景気の大幅後退と採用数を抑制した厳しい就職活動戦線で新卒採用。しかし、企業は買い手市場で労働者に即戦力を要求、過労、上司からパワハラの被害が相次いだ。そのため、数年間で退職する人々が後を絶たなかった。

退職者は希望職種の正社員採用がなかなかなく精神的に追いつめられ病を罹患し、アルバイトや契約社員などを転々とした上に若くして親の介護を強いられる現実…。

「20代半ばから20年以上ひきこもりがちな生活を送っていました」や「女性なので仕事したくても限られるんです」、「人生、ロクなことがなかった」と当事者から発せられる言葉が深刻さを物語る。

私も「就職氷河期ケアラー(ミドルケアラー)」の一人だ。大学時代を振り返れば、仕事を選ぶ余裕がなかった。就職活動で110社うけ、4社から内定をもらったのでまだ恵まれていたのかもしれない。しかし、1社目のIT企業はリーマンショックの煽りをうけ倒産したため中途採用で2社目を探した。20代半ばで再就職活動を余儀なくされ100社以上受験した上ようやく放送・通信関連のコールセンターに就職できた。

そして、折角仕事が軌道に乗りかけた時に親と祖母のダブル介護が必要になった。経済的な事情や家庭環境の複雑さに加え祖母や母と一緒に過ごしたい想いがお互いに強く(共依存傾向)で介護離職。

祖母と母の介護をしているうちに11年が経過。皆様のおかげで「おばあちゃんは、ぼくが介護します。」の商業出版、評論家や支援者としてテレビ・ラジオ・雑誌などメディア出演・掲載多数、国際ソロプチミスト賞クローバー賞を受賞するに至った。

詳細は「おばあちゃんは、ぼくが介護します。」参照。

おばあちゃんは、ぼくが介護します。 – 法研

とはいえ、同世代と比較し貯金額が少なかったり、住宅ローンが組めなかったり、母親の長期入院で病院に行って手続きがあったりと将来や老後の不安は常にある。

私の野望の一つにミドルケアラーや就職氷河期世代ケアラーの希望の星になりたい想いがあるので応援していただけるとありがたい。

「中高年のひきこもりは、仕事退職や再就職難がきっかけで精神的な病になるケースが多い」

他方、「ひきこもり」当事者からは下記の声が寄せられた。

  • 学校でいじめをうけたのが大人になった今でもフラッシュバックがある
  • 職場で解雇を言い渡された
  • フラック企業勤務中、過労で倒れて仕事を辞めたのが30代。なかなか再就職ができず自信をなくした
  • 40代後半を過ぎ、ブランク期間が12年あるので正社員雇用が難しく老後は予想できない

(一部加筆修正)

今回のひきこもり参加者は大半が中年女性だったのと、最近女性のひきこもり増加がクローズアップされている。ゆえに、中年女性のひきこもりの現状を記していく。

2023年4月に内閣府から引き継いだ「こども家庭庁」によると、15~64歳でひきこもり状態の人は推計146万人。40~64歳の中高年でひきこもり状態の人は男性が47.7%、女性が52.3%。女性が半数を超えた。 また、ひきこもる年数は男性より女性が長い。10~15年未満は男性が5.2%、女性が7.3%、Aさんのように20年~25年未満も男性が1.0%、女性が2.6%となっている。

こうした外出状況になった一番の理由は「退職したこと」(27.3%)。以下「新型コロナウイルス感染症が流行 したこと」(27.0%)、「病気」(13.1%)、「介護・看護が必要になったこと」が(10.3%)と続く。この調査から新型コロナウイルスで企業が業績不振に陥り急な倒産や解雇、職員同士のコミュニケーションが希薄で人間関係や心身に悪影響を及した。あるいは、介護施設が利用できなくなり突然在宅介護が必要になったケースも多かったと推察される。

参加者の声や「新型コロナウイルスの影響で雇用の流動化や介護施設の利用が難しく在宅介護をする時間が増え負担が増したことが心身共に悪影響を及ぶす」かがわかるが、政治や企業はほぼ放置している上に少子化対策に舵を切っている。

子どもが少なくなるから子育て世帯に手厚く支援する、それだけでいいのか?政府や政治家らは真剣に日本の未来を考えているのか疑問を覚える。

なぜなら、景気の悪化や世界情勢で雇用が安定せず契約社員やアルバイトなど非正規社員が大量に増え

就職氷河期や団塊ジュニア世代。この世代は、今の団塊世代と違い低・無年金者や低所得者が少なくない。したがって、10年、15年先は現役世代の負担増はほぼ確実だろう。そうなれば、今後負担するのは今や未来の若者達だ。少子化対策は、子育て世代のみならず30代後半~40代にも経済や精神的支援が不可欠なのだ。

ただ、こうした厳しい現実にも今回の参加者は前向きだ。就労継続支援A型の就労や製造業の就労を目指し就職活動や「ひきこもり」を対象にした支援者として精力的に活動。

参加者や今まで「ひきこもり」の方々と関わらせてもらい「真面目で優しく責任感が強い人ほどひきこもりになりやすい」印象をもつ。

「ケアラー」と「ひきこもり」と聞くと何となくネガティブで暗いイメージがつけられているがけっしてそういう人たちばかりではない。ポジティブで積極的に社会参加する人たちが大勢いるのを世に浸透していく。そして、引き続き支援を訴えていく。

皆様からの温かい寄附をお待ちしています。 https://okumurashingo42.com/charity/

文責 奥村シンゴ

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