相談窓口より居場所のニーズが高いワケ ケアラーとひきこもりが求める場 9/8(金)オンライン会レポート 

未分類

よしてよせての会では、9月8日(金)21時から2時間、ケアラーさんの緊急事態と誕生会を兼ねて緊急オンライン会を実施しました。

参加者は、現・元ヤングケアラー、若者ケアラー、ミドルケアラー、就職氷河期ケアラー、ひきこもりの9名。

「ハッピーバースデートゥーユー」、「ハッピーバースデートゥーユー」を私と参加者で、誕生日の方々を祝いつつ和やかな雰囲気で終始進みましたよ。

参加者からは、「友達のカテゴリーがたくさんしんどい目にあってきたのでしんどいです。よしてよせての会は、友達にはない安心感が凄く居心地良いです」と感想をいただきました。

そう。家族や友達には話せない似た境遇同士の人達が集まれて心地いい空間を作りたいのが目標の一つなのでこの感想は嬉しかったです。

さて、今回は、主にケアラーやひきこもりにとって「必要な場」と「今夏の思い出から日頃のストレス解消法」をテーマに話をしましたのでご紹介します。

「ケアラーやひきこもりにとって必要な場所とは?」

まず、ケアラーやひきこもりにとって必要な場は参加者から下記の意見が出ました。

  • ヤングケアラーの時、学校とケアの往復が続き、「家に帰る前に少し一息つける場所」がほしかったです。
  • ヤングケアラーの時、誰にも相談できず「LINEのオープンチャット」に救われました。
  • ZOOMのオンライン会議で名前や顔を出さなくてもOKしてくれる場所がいいです。
  • 同世代のみで似た境遇をもつオンライン当事者会は居心地がいいところがあります。
  • オフライン・オンライン問わず自分を肯定してくれる、認めてくれるところがいいです。
  • ボードゲームやZOOMでしりとりをする団体があって面白いです。

「一人で花火をしていたらオンラインのみんなが祝ってくれたのが今夏の思い出」

次に、今夏の思い出から日頃のストレス解消法は下記の通りです。

  • 家族に事情があり一人で花火をしていたら、オンラインの皆さんが一緒に楽しんでくれてとてもいい思い出になりました。
  • 介護の負担が重いのとコロナを警戒しているのでほとんど外出していませんが年に数回映画館に行くことです。
  • 哲学や倫理学の読書をすることです。
  • 動物と触れ合える場所に行くことですね、心が癒されるんです。
  • 刑事や弁護士もののテレビドラマを鑑賞することです。

参加者の意見をまとめれば、いきなり介護や家庭やひきこもりの相談をするのではなく、居場所から支援者が当事者と少しずつ信頼関係を築き話しやすい雰囲気づくりによって当事者の心が少しずつ開けてくるといえるでしょう。

それは、統計上でも出ています。

厚生労働省の「ヤングケアラーの実態調査」によれば、小学生、中学生、高校生いずれも「自由に使える時間がほしい」がトップにきています。

そして、その次に小学生は「勉強を教えてほしい」、「話を聞いてほしい」、中学生・高校生は「就職・進路の相談にのってほしい」、「話を聞いてほしい」と続きます。

「ヤングケアラー」は、「こどもたちが気軽に立ち寄れて自由な時間を過ごせる場。その中で勉強や就職や進路などの相談にのってほしい」居場所を求めているといえます。

現に、「相談窓口を設置したものの、ヤングケアラー本人からの相談はゼロ」の自治体があります。

福岡市が設置した相談窓口は2021年11月~2022年3月の相談延べ80件あったが、当事者からの相談はなし。また、兵庫県の「こども・若者ケアラー」相談窓口も相談件数は全部で229件あるものの

支援に結びついた85件の相談で当事者が問い合わせたのは20件と少ないのが現状です。

参照 「ヤングケアラー当事者からの相談ゼロ 福岡市設置の窓口 支援へ課題」

ヤングケアラー当事者からの相談ゼロ 福岡市設置の窓口 支援へ課題 | 毎日新聞
2021年11月に福岡市が設置したヤングケアラー(家族の介護や世話を担う子ども)専門の相談窓口に、21年度中に本人から寄せられた相談がゼロだったことが分かった。国や自治体ではヤングケアラーを支援する動きが進むが、本人へ支援をつなげることへの...

参照「「こども・若者ケアラー」神戸市が取り組む全国に先がけた対策 その実態と大人ができること

 https://storynews.jp/story/kobe-carer/

当事者や支援者などから何度も「行政の相談窓口に直接問い合わせるのはハードルが高い」と聞きました。

こどもたちが集う場所は、「こども食堂」、「キャンプやBBQやスポーツなどレスパイト(休息)的なイベントをする団体」、「楽しみながら勉強を教えてくれる場」などではないでしょうか。

「ヤングケアラー」がそもそも家庭やケアや学業など初対面の人に打ち明けるのはレアケースといえるでしょう。

なのに、令和5年度こども家庭庁の「ヤングケアラー」の予算配分は、「ヤングケアラーコーディネーターの配置」、「ピアサポート等相談支援体制の推進」、「オンラインサロンの設置・運営、支援」に多く割いています。

また、「ひきこもり」の居場所における有効な活動に関しては、利用者同士の交流が最も効果的であるとされていることが分かります。非常に有効であるに限定すると、レクリエーション、運営者による相談活動の有効性も高いことが示されています。

「居場所の利用者同士の交流」78.9%

「レクリエーション」55.0%

「運営者による相談活動」56.9%

参照 「居場所設置状況調査 – 厚生労働省」 https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000651508.pdf

 

今後とも活動を継続していくので応援よろしくお願い致します。

寄附 https://okumurashingo42.com/charity/

著書「おばあちゃんは、ぼくが介護します。」

コメント

タイトルとURLをコピーしました