ヤングケアラーが日時・時間制限縛りなしのオンラインの場を欲するわけ 11/11(土)ヤングケアラーセミナーより ゲスト公明党大池こういち議員

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11/11(土)21時から24時まで3時間にわたりヤングケアラーオンラインセミナーを開催しました。

現・元ヤングケアラー、若者ケアラーを中心に10名が参加し、ゲストに公明党の大池こういち(@oike2030 )議員をお招きし、「ヤングケアラーの現状や支援」を話し合いました。

今回のセミナーの結論から申し上げれば、なぜオンラインが心の支えになるのかやイベントの日時を決めず開催してほしいのか、夜間から早朝のサポートの多様性が必要かわかります。当事者の生の声をお読みいただき参考になれば幸いです。

「近所にヤングケアラーが集まる場が役所すらない」

Q、ヤングケアラーやその家族がここならいたいと思う場所とは?

参加者のヤングケアラーからは、 「オンラインに助けられています。支えてくれてありがとうって。そして、私は助けられた、支えられた代わりに発信をしていこうと思いました。オンラインの居場所は、当事者同士が集まり色々わかりあえる一番の心の拠り所になっています。地方住みで近所にヤングケアラーが集まる場がなかなかありません。私の地域は役場にすら一つもない…。県庁所在地から車で90分以上離れていてなかなかいけません。奥村さん、私の地域によしてよせての会のを作ってください」とコメント。

私は、「なんで、顔と顔も合わせず話すのがそんなに需要があるんや」ヤングケアラーと接するまでオンラインの魅力がいまいちわかりませんでした。

しかしながら、新型コロナウイルス流行後、会社員やOLですら「人と会わなくていいし、コストうくし便利やな」とZOOMなどの打ち合わせが普及したように、若者はオンラインのニーズがもっと高まっている印象です。地域に集まる場所がないヤングケアラーにとっては頼もしい味方といえるでしょう。

都市部や中核都市以外で、ケアラー当事者がケア中やケア後の悩みを打ち明けたり、情報を収集したり、日常のたわいもない話をしたりする場をどう増やしていくか。

国や行政だけでは財源やマンパワーに限界があるので、我々民間が果たす役割が大きいと感じます。

「申込制ではなく自由に出入り可能な場がほしい」

ヤングケアラーから若者ケアラーと続いている人から下記の意見が飛び出し興味深かったです。

「ヤングケアラーは、自由がなかなか効かない上に体調に波がある子が多く、申込制でオフラインだと参加が厳しい場合があります。ですから、なかなか実現が難しいとは思いますが例えば週何回かZOOMをオープンしておき、入室したい人はしてくださいと好きな時間にふっと立ち寄れるところがあればありがたいです」

私は、この声にドキッとしました。というのも、振り返ってみれば私自身、祖母や母親の在宅介護1人で7年間していた頃は、介護と日常生活と在宅ワークと心身の維持で精一杯で家族会などに参加していません。介護が長く続けば続くほどケアの負担が重ければ重いほど精神的、肉体的な余裕がなかったのを回想します。

現に、メンバーからも「毎日クタクタの中で、行政まで足を運ぶくらいなら身体を休ませたいのが本音です。そういう意味でオンラインは気軽で良いです。皆さんのお話を聞くだけでも参考になるし、不安をつぶやける機会も貴重です」という声が複数聞かれます。

著書「おばあちゃんは、ぼくが介護します。」 30代男性、6年以上にわたる孫介護奮闘記&介護者のための実用的な情報 介護の担い手がなく、やむを得ず祖母の世話をすることになった30代男性による孫介護奮闘記。独身男性による介護は「ひきこもり」「退職による経済的な困窮」など、「8050問題」を生みがちですが、それをも超えた「8030介護」の実践、試行錯誤でつかんだ目からウロコの介護手法。おばあちゃんとの珍妙なやりとりの数々に共感多数。テレビ・新聞・雑誌など多数紹介。https://www.sociohealth.co.jp/book/detail/30240821/

したがって、ケアが現在進行形の方々にとってはリアルな意見といえるでしょう。

こうしたことを反映し、当会では早速LINEのオープンチャットを再開し、毎日メンバー同士がやり取りして私も日々返信をしています。最近では1日平均して200~300ぐらい投稿があります。

お手伝いいただけるスタッフを募集中ですので気軽に下記問い合わせフォームまでお問合せください。

オープンチャット「介護、福祉当事者、専門職、異業種のつながり場 byよしてよせての会」 https://line.me/ti/g2/pLYMRiqeieNYY0TsWCwvuHq28LPccBTwSUgLuQ?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default…

質問の入力で84303と入力すれば承認待ちとなります。順次承認しますのでしばしお待ちください。

その他、ZOOMやYoutube等を駆使しての取り組みを検討中でメンバーと一緒に決めていきたいです。

特に夜中から早朝に少し愚痴を吐く、悩みを聞く場がほしい

シングルや多重ケアラーなど負担が重い人たちにとって、少しひと息つけるのはショートステイで本人が不在の時と就寝している時ぐらいではないでしょうか。

ケアラー経験者が話します。

「夜のケアが、何よりの孤独で辛かった記憶があります。4人のを一人で抱えている強烈な孤独感に襲われました。解決策がなくても、今現在の気持ちを聴いてもらっただけでも、かなり救われたと強く感じます。全部用事が済んで夜中にボソッと愚痴れたり、悩みを聞いてもらったりする場が増えれば嬉しいです。」

実際、いのちの電話以外にも24時間体制でメール、LINE、電話対応している、親が夜の仕事に行く時などトワイライトステイ(18時から23時位までをこどもたちと過ごす)をする団体などあるものの数的には少ないですよね。特に個別対応となれば尚更…。

マンパワーとコストと時間の問題でどうしても支援の提供が困難なところが多いのが現状かと思いますが、団体同士が連携をとりあえばクリアできるところがあるかもしれません。

参加者の感想一部抜粋

今回のヤングケアラーセミナーを開催しての感想を最後に掲載します。

ヤングケアラー「ケアしていた、体験してる人でわかってくれる人がいいなって思います。今思ったんですけどケアラーって多様って思われてほしいです。身体的ケアだけでなく…。介護終わると家族は見離されるんですよね…。心のケアとかはどうなるんですか?って話です。その言葉が見えたら本当はいいです」

ヤングケアラーからケアラーまで30年経験「貴重な時間をご一緒でき大変ありがたく、嬉しく学びしかありませんでした。ご自身の言葉で伝えてくれた想い、現状を私も真摯に謙虚に受け止め向き合っていきます。この出会いに感謝しています。当事者の声をたくさん聴いて政策に反映してほしいと願っています。」

若者ケアラー「本当に貴重な時間でしたし、僕にとっては財産です。X(旧ツイッター)よりここのグループのほうがみんな参加しやすいっていうか情報共有できます。ここの団体は家族みたいな存在ですよ。」

若者ケアラー「真剣に聞いてくれることが本当に嬉しいし、泣きそうになります。それだけ耐えてるのかもしれません。でも、ケアラーが倒れたらケアしてる親を助けてあげることもできないので、逃げないことです。信念を曲げないこと!立ち向かうことが大切ですね。」

公明党の大池こういち議員「奥村さん、大変お世話になりました。ヤングケアラー、若者ケアラー の当事者および経験者の皆さんから貴重なご意見を聞くことができました。宮城県でもしっかり取り組んでいきたいです。また連携させてください。」

今回、ヤングケアラーセミナーを開催し国会議員に当事者の声をダイレクトに届けられたのは一定の成果があったと自負します。

また、今後の課題として時間や日時の縛りがなく自由にアクセスできたり、田舎の地域でケアラー当事者同士が集まる場作りを増やしたり、夜中から早朝の対応をしたりすることが求められてきますね。

こども家庭庁はこどもまんなかと謡っていますが、ヤングケアラー・若者ケアラー界隈で当事者が有識者になることがほぼないからです。結局、ケアラー政策決定過程においては、大学教授や市区町村の部長・課長らが中心を担っているところが大半です。

この点は、大池こういち議員に真の意味でこどもや若者がまんなかになるよう強く訴えておきました。

さらにいえば、きょうだい児とケアを希望する子たち(学業や進路や生活困窮など将来に悪影響を及ぼす可能性がある場合は撲滅対象にしてほしいですが…)ヤングケアラーの撲滅や18歳以上のヤングアダルトケアラー、若者ケアラーとその家族やミドルケアラー、就職氷河期ケアラーについてけっして支援の狭間を作らないようにしなくてはなりません。これから、当会やメディアなどで訴えていきます。

当会では、他会ではあまりないミドル・就職氷河期ケアラーのオンライン・オフラインやケアラー・ひきこもり・障がいなど複合的ないきづらさを抱えた人たちの場をはじめ、専門職や異業種交流や政策提言などをしています。体験入会も可能ですので気軽にお問合せくださいね。

文責 奥村シンゴ

ケアラーいきづらさ評論家、元当事者、支援団体「よしてよせての会」代表、関西経営管理協会講師、単著「おばあちゃんは、ぼくが介護します。」国際ソロプチミスト受賞者。

宝塚在住。放送・通信業界を経て、32歳で介護離職。認知症祖母と精神疾患母介護10年のうちひきこもり6年経験。現在は、介護・ケアラーとひきこもり評論家、講師、支援団体「よしてよせての会」代表を務める。NHKなどテレビやラジオの他、読売新聞、神戸新聞、共同通信、東洋経済新報社、介護専門誌認知症ケア他多数メディア出演・掲載。また、支援の狭間にある18~40代の「若者ケアラー」、「元ヤングケアラー」、「ミドル(就職氷河期ケアラー)、「ひきこもり」と家族をサポート。ほぼ24hLINE・電話相談、出張サポート、就業相談など多数相談実績有。SNSはツイッターなど含め約1万人。

HP http://okumurashingo42.com/profile/

よしてよせての会について
ヤングケアラーなどケアラーやひきこもり元・現当事者と専門職の集い。宝塚で息抜き会、オンライン会、出張会、講演、ライター・出版アドバイスなどをしています。

https://www.sociohealth.co.jp/book/detail/30240821/ https://www.kouenirai.com/profile/10079

Youtube https://www.youtube.com/channel/UC2CxorUeUx76QsTSvxheFXQ

寄附ぜひご協力お願いします https://okumurashingo42.com/charity/

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